一般新築
大江山の家
新潟市江南区の閑静な住宅街に建つ50代ご夫婦の円熟した住まい。 深い軒と土縁がめぐり、お茶を嗜まれているご夫婦のこだわりを受け留めて、造り込まれた平屋の家です。 その秘訣の第一はふんだんに使われた無垢の建材にあります。 玄関を入れば表情豊かな無垢の壁板と共材の建具扉、そして風情ある風炉先屏風のアクセント。 茶の間に入れば旧家の井桁梁を再利用したが圧巻です。 また外装も既製品サイディング仕上げでは決して出せない和のテイストでまとめられています。 周辺の豊かな自然景観にも溶け込んで、ほのかな数寄屋の風情を一段と感じさせてくれます。
柏崎別山の家(民家再生)
築50年を超えた軒の深さが特徴的な民家(せいがい造りといいます)に、お施主様ご自身のお屋敷で育った90年生のスギの木を用いて、水廻りとLDKをつくり直したもの。 木組みの天井上は吹き抜けており、刻一刻と移ろいゆく陽の光が舞うリビングダイニングキッチンを実現。土地の風と光を読んだ、再生・リノベーションならではの家となった。
実はこの住まいは、2007年新潟県中越沖地震(マグニチュード は6.8、最大震度は6強)に被災して、全壊と判定されていた家屋です。 地震によって二階建ての本屋と水廻りを配した下屋は激しく損傷し、脱落した天井からは空が見えていました。
そのような中にあっても諦めることなく、「曳家(ひきや)」「危険宅地からの移動」「基礎更新」などいくつかの技術を駆使しながら震災から2年をかけて蘇ったものです。
リフォーム・リノベーション
南区新飯田の家
新潟市南区新飯田(にいだ)にある旧家のリノベーション事例。 二階建て主屋一階の、かつて格式空間であった和室3室をLDKに変更、また空間を分断していた階段位置を変更することで、二階とも一部つながる吹き抜けの一体となったご家族の広がり空間を実現。 冬はペレットストーブ1台で家族の寛ぐLDK空間と2階のプライべート空間を温めることが出来ます。
この建物の大きな特徴のひとつは東入りの玄関の、入って右袖には家族のシューズクローク&大型収納を設けることで雑然としがちな玄関をすっきりさせたこと。 そしてもう一方の玄関左袖、千本格子の引き戸を開けると展開するのが「もてなしの間」です。 ちょっとした来客があったときに、前庭を眺めながらゆっくりお話しできるよう設えた網代天井のお茶室風空間。 特注の大きな出窓からは四季草木花を楽しむことができます。 (施工:長谷川工務店・加茂市)
岸家住宅主屋/お福酒造(民家再生)
築270年を超えて。なお生き続ける新潟県内でも最古級の茅葺き民家岸家住宅(主屋)。
1752(宝暦2)年の建築とされ、その後1834(天保5)年、1889(明治22)年と幾度かの大規模修理を経ながら、現在に至っていたものである。 同住宅は新潟県中越大震災によって不同沈下や躯体の傾斜・破損、壁の崩落のほか、家業の酒蔵の瓶詰め工場(鉄筋コンクリート造)など4つの建物との接続部の衝突破損も加わり、大規模半壊の認定を受けるという被害状況であった。
建築面積227㎡(約68坪)という主屋を、まずは接続する隣家から切り離したあと倒れ起こし・ねじれ直しを行う。 続いて鉄道レールのような鋼材を建物下部に神輿の担ぎ棹のように差し入れて井桁状に支えるべく緊結していく。15トン級のジャッキ12基によって地上1.7メートルまで慎重に揚げることで、ミニユンボを入れて、地中梁つきのベタ基礎構築に向けての掘削地業、基礎工事を行うためだ。(写真整備含め更新中)
空港通りの家
新潟市東区下山の空港通り近くにある、N様邸。 計画前は大きな南庭をもった、築年の違う二つの平屋建ての民家でした。 それを建て替えて3世代同居できるようにというご相談をお受けしていたのがスタートでした。 お預かりするご予算とご要望、ご家族数をあわせて考えるに、ちょっとスペックオーバー気味。 そこで提案したのが親世帯の思い出も詰まった二間続きの和室など約半分を残しつつ、子世帯夫婦の住んでいた平屋部分のみを解体し、新たに造ろ玄関兼渡り廊下を介して、子世代・孫世代の二階建て住居をつくる形としました。 新たに造る子世帯空間は、通路のための廊下を持たない「広がり空間」をテーマに、リビング吹き抜けとしました。 冬期間は薪ストーブ一台であったか。 建築面積を増やすことなく、3世代同居を可能とすることが出来ました。
写真:和風の上げ下げ障子の玄関室と、薪ストーブの吹き抜け空間の写真で構成する。
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