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杢匠舎(もくしょうしゃ)/住まい空間研究所・長谷川順一について
about Jun’ichi HASEGAWA

日本古来の伝統木造構法(工法)を理解・継承し、未来へ繋がる家づくりを考えます

杢匠舎/住まい空間研究所を主宰する長谷川順一は、学卒後入社した大手電気通信企業在籍時に約2年間におよぶ欧州アフリカ駐在を経験。その際に各地の風土に根差した様々な建築物と均整の取れた町並みを目にしたことがきっかけで、建築の分野への興味を持ちました。

帰国後は2年あまり、見聞を広めるきっかけを下さった会社への恩返しをしながら、機が熟するのを待ち、30歳を目前に文科系の出身ながら建築・住宅づくりへ転向しました。文化財を含む建造物内装を手掛ける会社から、木造ハウスメーカー・建築事務所での経験を積む中で、二級建築士、木造建築士資格を取得し、2003年12月に建築事務所を開設し独立開業し、現在に至ります。

開業の翌年となる2004年10月23日に発生した新潟県中越大震災では、阪神淡路大震災時の直せばまだ使うことのできる建物までが「木造建物は弱、古い建物は危険」という風評のもと、どんどん取り壊されて行った記憶が蘇りました。 新潟中越でもその懸念が現実化しつつある中で、被災した木造家屋の被害状況を、志を同じくするNPO日本民家再生協会の専門家有志で調査し、伝統木造家屋が激震に耐え残った姿を、旧川口町(現長岡市)など被災各地で確認。 被災家屋の「危険」「全壊」と言った判定に翻弄される住民に対して「民家再生の技術」を用いた家屋修復説明会を開催したのが、伝統木造建築への新たな取り組みの始まりではなかったかと思います。

そして震災翌年となる2005年の春から秋にかけては、とくに多くの被災建物の現地相談を受けることになり、伝統木造家屋の地震に耐え残っている様を記録、修復できるものは救うという信念のもと本業の傍ら被災地に通い続けました。

被災地に通ううち、幾つかの建物の修復にも実務としてかかわることにもなり、当時はコストを抑えて修復するポイントとして「減築」実例を多く生み出し、当時我々の活動を追跡して下さっていたNHKテレビから「増築」ではなく「減築」で負担を少なく元の住まいに戻る」と紹介され減築ブームの先駆けとなりました。

これらの災害時における伝統木造建築、現代木造建築の挙動を診つつ、建物の保全から修復に至るまでを見つめてきた中で、技術的知見を集積させて、平時における建築の作法やリフォームの技術の普及啓蒙をも目指しながら業務を行っています。

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これまで、建築事務所「住まい空間研究所」、任意の市民団体「建物修復支援ネットワーク」として活動してきました

開設当時は建築設計事務所「住まい空間研究所」としてとしての業務を行っておりましたが、2004年新潟県中越地震をきっかけに被災建物の調査・検証と保全修復に向けた被災者への助言活動を展開。2007年3月の能登半島地震発生により、それまで2年半ほどの中越での活動で得られた知見を基に、能登で活動する専門家に情報提供する形で全面協力。被災後2週間足らずで建物修復という選択肢を、門前総持寺地区などで示すことが出来ました。

これをきっかけに「建物修復支援ネットワーク」を設立。その後続いた新潟県中越沖地震などでも現地に出向くことになり、専門家有志を募って支援活動のスケールを拡大させることとなったものです。

伝統建築などはとくに地域色が強いこともあり、支援も飽くまで地元大工職人のの意向を汲んで行うことが大切である点を理解。その上での災害被災建造物へのサポートは中越沖地震後も続くことになり2011年東日本大震災、2014年長野神代断層地震、2016年熊本地震、2018年北海道胆振東部地震と各地に出向いて、説明会相談会を開催しております。今では地震災害のみならず、多発する水害被災地においても、支援を展開するまでになって来ています。

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新築・リフォーム・リノベーション、それぞれのご要望に応じた最適な方法を一緒に考えます

これらの幅広い経験と知見を活かしながら、住宅の新築、リフォーム、リノベーションの建築計画、設計提案・現場監理を行うのが杢匠舎です。伝統構法への深い理解と、それを伝える職人達の感性と技術も大切にしながら、施主様の思う未来の暮らし方をお聞きし、よりよい方法でご提案できればと思っています。

昨今の建築費高騰もあり、世間的には住宅なども新築から改修リフォームへシフトしつつありますが、既存建物の保有する性能評価もまた重要で、経年変化も踏まえながらこれからの建物の耐震性を含む基本性能に何を求めるかをよくお伺いしながら、一方的に改修に走ることなく、最適解を見出せるようにして参りたいと思います。

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建物の安全性・耐震性を建築・土木(地質・地盤)の両面から考えることのできるエキスパートです

いざ建物を建てるとなると、その性能表示がとかく重要視されがちな現代ですが、耐震性を担保するもう一つの大切な要素は地盤です。 新潟などは大河である信濃川や阿賀野川が長い距離を運んできた分厚い堆積土と海岸砂丘と砂洲が交互に並ぶ地。いざ地震発生となるとその揺れは、硬い地盤の上にたつ建物比較すると、はるかに大きなものとなります。

令和5年能登半島地震にみられる大規模な液状化現象の起こった新潟市内などでは、建築前に行われるスウェーデン式サウンディング法(SWS法)の地盤調査データを鵜呑みにして、地盤改良の必要性なしと判断されたケースも多く、実際に築数年の建物も含めて多くの建物が完成後数年で住めないほどの被害に遭っています。 構造的には大きな被害を受けていないのに、地震によって箱形を保ったまま沈下・傾斜などの手ひどい仕打ちを受けた家は、今回の能登半島地震では新潟・富山・石川の3県で15,000棟にも及びます。 家を建てるにあたって土地購入判断のご相談という方はもちろんのこと、今住んでいる建物のある土地はどうなのか?地盤対策は万全か?また今後起こり得る被害に対してどのように事前対策をすべきか等、お気軽にご相談ください。

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住まいを「建て替えるしかない」と言われた方も、「建築医」として                    建物を診させていただきます

災害に遭った建物を目にすることは、被災者も、たとえ大工さんであってもそう滅多にあることではありません。 次に起こりうる危険な事態に備えては、「あわてて解体する」のではなく、「正しい応急処置を施す」のが正解です。

正しく処置をして少し落ち着いたなら、つぎに考慮するのは「繰り返される災害に歴史ある建物がどう耐え抜いてきたか? 災害を乗り越えるために受け継がれてきた日本の伝統技術は、最新の建築土木技術は何か?」ということです。 これまでの教訓と歴史に技術を謙虚に学びつつ傷ついた個々の建物を調べてみれば、落胆のなかからも「なるほど」という部分も見えてくるはずです。

わが国の建築文化は災害大国・地震国日本で、自然の道理に寄り添いつつ、すぐれた職人の智慧と手技をあわせ代々受け継ぎながら、多くの先達が築きあげてきたものです。 災害に遭った建物を慌てて解体してしまっては、金銭的価値に置き換えることのできない、貴重な歴史的建造物も、見慣れた街並みも一気に失われかねません。

「危険」「全壊」のレッテルにも負けないように、建物修復の知恵を共有しながら、そこにある暮らしと地域を守る「修復という選択肢」を一緒に考えてみましょう。

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古民家や土蔵など、歴史的建造物の保存・再生・利活用に1999年から係わっています

古い民家の再生に携わってはや25年。木造ハウスメーカー時代から古い家の建て替えとなると、その家の思い出の部材を生かしたり、無意識のうちに「Mottainai]を感じて提案してくると、会社からは「面倒なことをする奴だ」という目で見られたこともありました。

しかしその分営業数値では誰にも負けない気持ちで頑張った時代。その後小さな設計事務所に移ると、歴史的建造物の調査や再生の機会は増えて、独立直後は新潟県中越地震により大量の歴史遺産が存亡の危機に。無我夢中でそれらの保全のためにと奔走した時代もありました。

2011年10月にはUNESCO日本信託基金の委託業務でアフリカ・ウガンダへ。世界遺産建造物の中でも災害に遭って危機遺産リスト入りした建物の修復使節団の一員として4たび現地入りし調査を実施、建造物再生の指導に携わる機会を得てきました。

2015年には長野県神代断層地震の被災地において、建造物とそこに所蔵されている歴史史料の保全レスキューをすべく、ヘリテージマネージャーと博物館学芸員などの連携を提唱。任意団体「被災建物・史料救援ネット」を結成し、61棟の歴史的建造物の記録看取りを行いました。

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どこに依頼すべきか? 「お抱え大工」とのお付き合いある方も、ご相談ください

「自分好みの家を建てたい、しかし親の代からお世話になっておる大工さんも無視できない」そんな声もよく耳にします。いわゆる「お抱えの大工さん」がある場合は、とくに親御さんのご意向を気にしがち。 そんな時には施主様と円満な関係のあるお抱え大工さんをお断りすることは勇気のいることです。それどころか、むしろ現代構法に慣れてしまったハウスメーカー系の大工さんよりもよい仕事をしてくれる可能性もあります。 せっかくのご縁をむしろ味方につけてしまうという発想もありですね。

大工さんなど業者さんとのお付き合いも、私のような設計者を入れることで、むしろ上手くいくこともあります。 ここは第三者としてのセカンドオピニオンをとることで、希望の住まいを形にしていくのです。 依頼主さんから直接言いにくいことも「お客様の代理人」としての私たちの力を使うことで、大工さんもお客様もよい人間関係になることができるのです。 じっくりと真摯に双方の意見に耳を傾けながら、最善の着地点を目指していく。 工事請負の前段から完成お引き渡しまで、私がしっかりエスコートしてまいります。

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伝統構法、建築大工職人の技術の伝承・後継のため尽力しています

建築物がどんどん工業製品のように扱われ、個々の大工職人の技量が求められる機会が少なくなってしまった現代。 伝統技術の継承はとくに「木造建物修理」には、必要欠くべからざるものでもあります。 2020年12月、日本の建築技術のなかでも伝統的な建築を守り生かす17職種におよぶ、日本固有の建築技術が「伝統建築工匠の技」としてユネスコの無形文化遺産に認められましたが、その前途は必ずしも明るいものではありません。 

例えば古い社寺や古民家など、集落や宗派単位で支えられてきた建物も、禁煙の少子高齢化で担い手が少なくなり、氏子さんや檀家さんも以前に比較すると、徐々に少なくなってきています。 職人技術もそれらの建物を維持メンテナンスすることで、磨かれ継承されてきたのですが、このままでは、その担い手育成の機会も奪われかねない事態になりかねません。

(写真挿入)

神社仏閣、土蔵、古民家などに代表される歴史的建造物は、文化財に指定も登録もされていなくても、もしかしたら公共財産と言ってよいくらいに価値を持っている場合もあるのです。 京都や奈良をはじめとする歴史的建造物の宝庫と言われるエリアでも、地方出身のこれらのすそ野の広い職人技術によって支えられていることを忘れずに、図面を描いてもそれを実際につくる人がいなければ何もならない。 そのことを一人でも多くの人々に理解いただくことをまた大切に思いつつ日々活動をしています。

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杢匠舎/住まい空間研究所 基本情報

名称: 建築設計事務所 杢匠舎/住まい空間研究所

新潟県知事登録(ニ)第8981号 二級建築士事務所
所在地: 〒950-0915 新潟県新潟市中央区鐙西2丁目2番15号
電話番号:090-3098-8683
固定電話番号:025-245-7716(ファクシミリ兼用)
メールアドレス:sumai.kukan2@gmail.com
取引銀行:三井住友銀行、第四北越銀行

所持資格:二級建築士、木造建築士、耐震診断士(新潟市、長岡市、柏崎市など)、福祉住環境コーディネーター(2級)、 既存建物状況調査技術者、衛生管理者、

共同調査研究
長岡造形大学(平山育男教授) 新潟県中越地震被災家屋・星野家住宅保全解体調査工事(2005年)
信州大学工学部(五十田博教授) 新潟県中越地震における被害無被害調査(2007年)
長岡技術科学大学(大塚悟教授) 新潟県中越沖地震被災建物緊急調査(2007年)
新潟大学・一般社団法人地盤工学会(保坂) 新潟県中越沖地震 建物被害の概要(2007年)
信州大学(梅干野成央准教授) 長野県神城断層地震被災建物・文化財保全レスキュー(2015年)
UNESCO日本信託基金 世界文化遺産建造物(危機遺産)修復支援使節団派遣(2011年1次~2016年4次)